「考える」と「行動する」を自由に行き来する――立ち止まらずに前へ進むための思考法

何かを始めたい、挑戦したい。
そう思ったとき、私たちはまず「どうすればうまくいくか」を考えます。
しかし、考えれば考えるほど不安が膨らみ、「やっぱりまだ早いかもしれない」「もう少し調べてからにしよう」と動けなくなることがあります。
一方で、「考えるより行動!」とばかりに飛び出したはいいけれど、気づけば「何のためにこれをやっているのか」が分からなくなってしまい、モチベーションを失うケースもあります。
実は、この2つのパターンは誰にでも起こりうる現象です。
そして、多くの場合「考える」と「行動する」のどちらかに偏ってしまっていることが原因です。
「考える」は未来を描くための武器
まず、「考える」ことの価値から見ていきましょう。
考えるとは、現状を分析し、選択肢を比較し、未来のシナリオを描く行為です。
たとえば、起業を検討しているときには「市場はどのくらいあるのか」「競合はどんな戦略を取っているか」「資金はどれだけ必要か」など、情報を集め、整理することが欠かせません。
この段階をすっ飛ばして行動してしまうと、致命的なリスクに気づかないまま突き進み、後で取り返しのつかない事態に陥る可能性があります。
だからこそ、考えることは計画性を高め、失敗を減らすための大切なステップです。
ただし、考えすぎると足が止まる
しかし、考えることには落とし穴もあります。
情報を集めすぎて比較検討に時間をかけすぎたり、リスクを洗い出しすぎて「危険だからやめておこう」となるケースです。
これは「分析麻痺」と呼ばれる状態で、頭の中では完璧な計画を作っているつもりでも、実際には何ひとつ前に進んでいません。
たとえば、副業を始めたいと考えている人が、ネットや本で「おすすめの副業」を調べ続け、結局1年経っても何も始めていない…というのも典型的な例です。
「行動する」は現実を動かすエンジン
では、反対に「行動する」ことの魅力は何でしょうか。
行動は、考えるだけでは得られないリアルなデータを与えてくれます。
たとえば、ブログを始めたいなら、まず1記事書いてみる。
その結果、思ったより時間がかかった、意外と楽しかった、読者から反応があった――こうした情報は机上の空論では分かりません。
さらに、行動はスピード感があります。
考えている間に過ぎてしまう1週間を、実際に動いて試行錯誤する時間に変えられれば、経験値は何倍にもなります。
ただし、行き当たりばったりは危険
とはいえ、行動にも落とし穴があります。
勢いで動くあまり、方向性を見失ってしまうことです。
「とにかくやれば何とかなる」と思って始めたけれど、半年後に「そもそも自分は何を目指していたんだっけ?」と立ち止まる…これもよくあるパターンです。
努力そのものは無駄ではありませんが、方向を誤るとエネルギーの消耗だけが積み重なり、結果的に挫折につながります。
「考える」と「行動する」を自由に行き来する
私が提案したいのは、この2つを自由に行き来することです。
つまり、
「考えすぎて動けない」ときは小さく動いてみる。
「動きすぎて方向性を見失っている」ときは立ち止まって考え直す。
この柔軟な切り替えが、物事を前に進める最もシンプルで効果的な方法です。
PDCAサイクルがシンプルで強力
この考え方をわかりやすく形にしたものが、ビジネスでも有名な「PDCAサイクル」です。
- Plan(計画):目標を立て、方法を考える
- Do(実行):計画に沿って動く
- Check(振り返り):結果を確認し、良かった点と改善点を洗い出す
- Act(改善):次の行動に反映する
このサイクルを回すことで、考えると行動するを自然に行き来できます。
大事なのは、1回で完璧を目指さないことです。

小さく回して、少しずつ精度を上げていくイメージです。
実体験:小さく始めた副業が生活を変えた
私は以前、コロナウイルスの流行をきっかけに副業を始めようとしたとき、最初は考えるばかりで全く動けませんでした。
「どの分野がいいか」
「初期費用はいくら必要か」
「時間はどれだけ確保できるか」
・・・延々と調べ、気づけば行動せず、何ヶ月も過ぎていたのです。
しかしある時、会社倒産の危機が訪れ、「とにかく始めないとダメだ!」と心が動きました。
そして、不器用なりにも自分だけのロードマップをつくり、その通りに一つずつ行動を重ねていったのです。
最初から結果が出たわけではありません。方向性に迷うこともありました。
しかしそのたびに振り返り、「なぜ稼げないか」「次は何をすればいいか」を考えてマイルストーンや行動を修正していきました。
小さなPDCAを繰り返すうちに、少しずつ収益が出始め、そして気づけば安定した副収入が得られるようになったのです。
いろいろと自分を取り巻く環境や心の変化など、さまざまな要素があったかとは思います。
しかし今でも感じているのは、
「あのとき、考えるだけで終わらず、小さく動き出して本当によかった」
ということです。

収益という結果だけでなく、「稼げた」「生きれる」という自信も大きな財産となります。
まとめ:偏らないことが最強の戦略
- 考えるは未来を描き、リスクを減らす
- 行動するは現実を動かし、経験値をくれる
- どちらか一方に偏ると、前に進めなくなる
- 小さく動き、小さく考えることで前進できる
- PDCAを回すことで、自然に「考える⇔行動する」を往復できる
「立ち止まってしまったな」と思ったら、自分が今どちらに偏っているのかを確認してみてください。
そして、もう片方の行動をほんの少し取り入れてみる。
たったそれだけで、流れが変わり、また前に進めるはずです。
あなたも今日から、
自分なりの「考える⇔行動する」のリズム
をつくってみてください。
無理はしなくていいです。落ち込みすぎなくてもいい。
誰かとの比較ではなく、自分なりのペースでいいのです。
きっとそれは、あなたの長い人生において強力な武器になるはずです。
ここまで読んでくださり、ありがとうございました。

あなたは、考える派ですか?行動する派ですか?
あなたの位置するタイプと逆の要素を少し入れるだけで、人生はよりハッピーになるかもですね。