不安が減らない理由は“安心以外の3要素”にある|神メンタルに学ぶ本質
あなたは “安心” について、どんな状態を思い浮かべるでしょうか。
将来への不安がないこと?
それとも現状に満足していること?
実は、「安心」とひとことで言っても、その奥にはより深い意味があります。
そして本当の安心には、ある 4つの要素 が欠かせないと言われています。
先に結論をお伝えすると、
本当の安心 = ①安心 × ②承認 × ③挑戦 × ④つながり
という考え方があります。
こちらは著書『神メンタル』を参考にさせていただいており、著者の星渉さんは次のように述べています。
「本当の安心」とは、「安心」を含めた4種類ある自分の欲求感情のうち、「安心」以外のものが満たされた時に初めて感じることができるのです。
つまり、ただ不安がないだけの状態を「安心」だと思っていても、それは“本当の安心”とは言えないのです。
①安心:「変わらない状態」だが、変わらなさは“不満”にもなる
まず「①安心」とは、安定している状態を指します。
不安、緊張、自信のなさ、焦り……そういったネガティブな感情から距離を置き、一定の状態でいられること。
言ってしまえば、チャレンジせず安定して暮らすことでもあります。
もちろん、最初は心地良いでしょう。
しかし、次第に“変わり映えのない毎日”に飽きてしまう人も少なくないはずです。
何の変化も刺激もない毎日が続けば、
「このままで本当にいいのかな?」
「もしこの状況が壊れたらどうしよう……」
と不安を感じ始めることもあるでしょう。
さらに、世の中は常に変化しています。
わかりやすいのは IT の変化。
携帯電話 → インターネット → スマホ → AI と、流れは加速度的です。
これは専門領域だけの話ではなく、私たちの日常生活にもしっかり反映されています。
そんな中、自分だけが変わらない日常を続けていれば、 置いていかれる未来 は簡単に想像できます。
気づいた時には、かつて“安定で安心”だと思っていた日常が、逆に脆いものへと変わっているかもしれません。

“変わらなければ置いていかれる”のは、お金に関しても同じことが言えますね。

だからこそ、本当の安心のためには
「承認」「挑戦」「つながり」
というその他3要素が欠かせないのです。
②承認:自分も他者も自分を認められる状態
星さんは承認を次のように説明しています。
「承認」とは、自分自身が人からも自分自身からも認められる、認める存在であると実感したいという感情。
承認の例としては、
- 仕事を通じて社会に貢献し、社会からも自分でも認められる感覚
- 資産形成をコツコツと進め、前進する自分を褒める
- 資格取得で社会的信頼を得て、自信を高める
- 健康維持の努力を継続し続けている自分を認める
などでしょう。
人によって必要な承認の量は違います。
だからこそ大事なのは 自己受容感・自己重要感の“感度” です。
誰かからの「ありがとう」をしっかり噛みしめる。
自分の決めた基準をクリアした時は、自分で自分を褒めてあげる。
そんなふうに、自分にとってちょうどいい承認の尺度を持つことが重要です。

自分にとってちょうどいい尺度の承認を知るためにも、“諦める”ということが時には有効な判断になるケースもあります。

③挑戦:少しワクワクする未来へ動くこと
続いて「③挑戦」。
星さんはこう説明します。
「挑戦」とは、何か自分がワクワクすることにチャレンジしたい、チャレンジしていてワクワクしているという感情。
たとえば、
- 副業に挑戦して給料以外の収入を得てみる
- 資格取得に取り組み、未来のキャリアへワクワクする
- 筋トレに挑戦し、心身ともに軽やかな状態を目指す
- やったことのない業務に取り組み、達成感を味わう
など、大小問わず“少し未来が明るくなる行動”です。
挑戦の大きさは人それぞれ。
トップレベルの人の挑戦と、日常の中の挑戦では、当然スケールが違います。
だからこそ大切なのは 「今の自分に少しプラスになる行動」。
比較対象は他者ではなく、自分自身。
“人生の前進感” を何より大事にしていきましょう。
最も重要なのは、納得して、行動することです。

挑戦には “自分でコントロールできるもの” と “そうではないもの” を予め理解しておくとよいです。

④つながり:心が高まり合う人間関係
星さんは「つながり」をこう説明しています。
「つながり」とは、慣れ合いの付き合いではなく、自分が幸せを実感できたり、成長を実感できる人との付き合いがあるということです。
具体的には、
- 家族
- 友人
- 仕事の仲間
- ご近所付き合い
などが当てはまるでしょう。
長い付き合いだからという理由だけで、愚痴や文句ばかり言う相手に縛られる必要はありません。
それはただの“慣れ合い”であり、成長も幸福感ももたらさない関係です。
ネガティブもポジティブも、バイブスは相互に伝播します。
お互いのバイブスが高まり、
- 雰囲気
- ノリ
- 気分
- フィーリング
- 高揚感
がプラスに働く関係こそ、あなたを成長させ、幸福感を強めてくれます。

自分にとっても相手にとっても、つながりには“適切な距離感”があると思っています。

4要素が揃ったとき、初めて「本当の安心」が生まれる
星さんは最後にこう述べています。
自分で自分自身を認め、またはほかの人の役に立つことを実感して「承認」を実感し、付き合う人を選ぶことで「つながり」を満たし、自分を成長させることや新しいことに「挑戦」してみてください。その時に、あなたは「本当の安心」を実感することになるでしょう。
つまり本当の安心とは、
不安がゼロである状態ではなく、
不安に飲まれることなく行動できる状態のことなのです。
安心以外の3要素は、誰かとの比較で測るものではありません。
あくまで“自分にとって”どうか。
さらにそのバランスは、
- 人生フェーズ
- 環境
- 年齢
- 価値観
によって大きく変化していきます。
学生時代の挑戦と、社会人・結婚・子育て期の挑戦はまったく違います。
つながりの種類も承認の形も、時間とともに変わるのが自然です。
変化すること自体が当たり前。
その前提を理解するだけで、心がいくらか軽くなるはずです。

「土台固めて、ノリで生きる」という考え方が私は好きです。
安心と、安心以外の3要素の関係性はもしかしたらそれに近いかもしれません。

あふれる情報は「比較の材料」ではなく「活用の材料」
現代は情報があふれています。
SNS、検索、YouTube、そしてAI。
努力しなくても大量の情報が無料で手に入る時代です。
だからこそ、
他者と比較して落ち込む必要はありません。
大切なのは、
「自分の本当の安心」を手に入れるために、情報を“活用する”という姿勢です。
手段は無限にある。
あとは、あなたが選び取り、行動し、調整していくだけです。
本当の安心は、幸福感にも直結します。
ぜひ今日から、
あなた自身の「承認・挑戦・つながり」を満たす方向へ、少しだけ動いてみてください。
それが、未来のあなたの安心につながっていきます。

情報に振り回され、目が回っている時は「立ち止まる」ということが解決のキッカケになることもあります。

この記事の参考文献:
『神メンタル「心が強い人」の人生は思い通り』
星 渉(KADOKAWA)
