メンタルが弱いと感じたら読む本。星渉『神メンタル』が人生を変える理由

「メンタルが安定しないな」
「自分、メンタル弱いかも…」
そう感じたことはありませんか?
私は3年前の2022年、まさにそんな状態にありました。
(詳しくはこちらの記事に書いています ↓↓↓)

その時の私を救ってくれたのが、星 渉さんの著書
『神メンタル「心が強い人」の人生は思い通り』 です。
心理学や脳科学の知識がほとんどなかった当時の私にとって、この本の内容はまさに“目から鱗”でした。
今回は、その感覚を少しでも共有できたらと思い、印象に残ったポイントを紹介します。
神メンタルの公式
まず心に刺さったのが、この「公式」。
現実(未来) = 目的地 × 手段 × メンタル
私たちはつい「手段」を探そうとしますが、
本当に大切なのは 目的地 と メンタル なんだと著者はいいます。
目的地にたどり着くためには──
- 「ここ以外ない」と言えるくらい 明確に設定 すること
- そしてその目的地から 目をそらさない こと
目的地が決まれば、自ずと手段も決まってきます。
しかし、たとえ手段がわかっていても、自己評価(メンタル)が低いままでは行動できない。
「どうせ自分には無理だ」と思えば、脳は“やらない理由”ばかり探し出すからです。
だからこそ、変えるべきは「手段」ではなく、自己評価=メンタル なのです。
脳の構造を知る
著者はまず、脳の基本構造を理解することが大切だと言います。
- 脳が最優先しているのは「死なないこと」
つまり、“現状維持”こそが安全であるというプログラム。 - 心理的ホメオスタシス(恒常性)
「今生きてるんだから、変わらなくていいよ」と脳が強烈に抵抗する。 - カラーバス効果
「見たいもの」を意識すると、そればかり目につくようになる。
脳はあなたが“フォーカスしたもの”しか見ない。
だから、「何を見るか」を意識することが、メンタルを整える第一歩 になります。
目的地を設定する
脳には、もともと 高性能なGPS機能 が備わっている といいます。
だからこそ、最初にやるべきは「明確な目的地を設定すること」。
そのために役立つのが「未来体験シート」。
著者は次の3つのルールを挙げています。
- 完了形で書く(“〜した”と書く)
- 測定可能な形で書く(曖昧にしない)
- 制限を設けない(魔法使いに何でも叶えてもらうとしたら?)
すべての願いが叶うとして、『5年後、3年後、1年後、半年後どうなっていたい?』といわれた時に何というか?
このように考えるとよいですね。
書き出したあとは、その未来を 視覚化する ことが大切です。
なぜなら、私たちの情報入力のうち87%が視覚によるものだから。
(のこりは聴覚7%、触覚3%、嗅覚2%、味覚1%です)
毎日「理想の未来」の画像を見て、脳にその状態を繰り返し入力していく。
そうすることで、脳がその未来を“現実化”しようと動き出します。
私たち人間の脳の “記憶に残す”or“残さない” の判断基準は「生きていくのに不可欠かどうか?」です。
しかし、脳の記憶を司る海馬が勘違いして長期保存する情報もあるのです。
それが、「何度も何度も、脳に繰り返して送られる情報」。
繰り返し、毎日。
「理想の未来」の画像を見ましょう。
そして何よりも大切なのは──
楽しむことに勝る力はない。
「やる理由」が見つからない時は、まだタイミングじゃない。
“楽しい”と思える方向に進むと、人は勝手に行動しはじめます。
そこには気合いや根性なんて世界観はないのです。
未来の自己評価で生きる
「今この瞬間」を、“今の自己評価”ではなく、
“未来の自分”の自己評価 で生きること。
これが、メンタルを一瞬で変える鍵です。
そのために有効なのが、「未来を体験すること」。
未来体験シートに書いた“1年後の自分”を、リアルに体験する のです。
人間は「役割を与えられると、その役割を果たそうとする生き物」。
だから、未来を体験すれば自然と自己評価が書き換わります。

思い込みを変える
私たちを縛っているのは「現実」ではなく、「思い込み」。
思い込みは次のサイクルで強化されていきます。
①体験 → ②考え方 → ③視点 → ④感情・思考 → ⑤行動 → ⑥結果 → ⑦強化
だからこそ、小さな「できた」を積み重ねていくこと が大切。
その体験が、新しい“よい思い込み”を育てていきます。
また、脳は「使う言葉」に強く反応します。
- 「でも」「だって」 は行動を止める言葉
- 「わからない」「難しい」 は思考を止める言葉
- 「できない」 はできない理由や言い訳を探してしまう言葉
代わりに、肯定的な表現を使いましょう。
たとえば「タバコを吸わない」ではなく、「私はノンスモーカーになった」と言う、とかですね。
さらに、「書く」ことにも力があります。
キーボードではなく、手で書く。
指の動きの数が圧倒的に多く、
キーボード でタイプする時に必要な指の動きは 8種類 ですが、
手書き をする時の私たちの指の動作は 1万種類 もあります。
つまり、脳に与える刺激が圧倒的に違う のです。

メンタルを整える最終章
メンタルを整えるうえで最も大切なのは、
「自分を認めてあげること」。
不安も、緊張も、すべて“今の自分”の一部として受け入れる。
そのうえで、「メタ認知」を育てることが大切です。
メタ認知とは、自分を第三者の目で客観的に見る力。
イチロー選手が 「自分の斜め上からもう一人の自分が見ている」 と話していたように、
常に冷静な自分が見守っている状態をつくるのです。
具体的には──
- 紙に書き出して“紙面上の会話” をする
- 椅子を2つ用意し、“悩む自分”と“答える自分”を演じる(エンプティ・チェア)
- 鏡に映る自分を見ながら対話 する
こうした習慣が、メタ認知力を高めます。
そして何よりも、没頭する時間を持つこと。
「負の感情」が生まれている時は、「今」を生きていない証拠です。
“今ここ”に集中している時、人は最もメンタルが安定します。

自信は「結果」ではなく「習慣」
自信は、もともと持っているものではなく、
後天的に作り出せるもの。
なんと、脳が“自信を感じる”ためには、「できた」という体験の大小は関係ない そうです。
小さくても、「できた」と思えた瞬間が大切。
それを重ねることで、自分のことを少しずつ好きになっていく。
「できることが増えれば、自分を好きになれる」
「自分を愛すれば、未来を信じられる」
この流れが、“神メンタル”の本質 だと思います。
人は「承認」「挑戦」「つながり」という3つの感情が満たされた時に、本当の「安心」を感じることができるそうです。
「本当の安心」とは「安定すること」ではない。
「できた」という自信を満たす こと。
その 前進感が、本当の安心につながっていく のかもしれませんね。
反射的に「ツイてる」と言える人になる
最後に著者はこう言います。
心が強い人は、どんな出来事が起きても、
「ラッキー」「ツイてる」「ありがとう」と反射的に言える。
なぜなら、脳は「設定した理由を探す力」があるからです。
「ツイてる」と言えば、脳は“ツイてる理由”を探しはじめる。
つまり、出来事そのものよりも、どの視点でそれを見るか が大事。
考える前に“反射的に”ポジティブな意味づけができる人こそ、
本当の意味で「強い心」を持っているのだと感じます。
おわりに
この本を読んで、私が一番感じたのは、
「メンタルは“守るもの”ではなく、“育てるもの”」ということです。
脳の仕組みを知り、
自分の未来を明確に描き、
その未来の自分として、今を生きる。
そんな生き方ができるようになってから、
私は「メンタルが不安定」という状態になることがほとんどなくなりました。
だから挑戦もできるし、生活にも満足できる。
感謝の心も、より醸成していける。
メンタルが弱っている人には育む方法を、
メンタルが強い方にはその根源を確認するきっかけをくれる本になってくれます。
ぜひあなたも、一度本書を手に取り、脳科学や心理学に基づくメンタルの在り方についての理解を深めてみてはいかがでしょうか。

さいごまで記事を読んでくださりありがとうございました。
あなたにも、よりよい人生を歩んでほしいとおもいます。
この記事の参考文献:
『神メンタル「心が強い人」の人生は思い通り』
星 渉(KADOKAWA)
