【NHKラジオ】運も実力のうち?脳科学でわかる運を引き寄せる方法

「運も実力のうち」という言葉を、一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。
けれども多くの人は、運を“持って生まれたもの” と捉えています。
つまり「自分には運がある」「自分は運がない」といった具合に、変えられない要素だと思い込みがちです。
ところが先日、NHKラジオ「ふんわり」の放送(9/26金曜回)にて語られていた運についての視点がとても面白かったのです。
話の内容があまりに鮮やかで「運は意識によって操作できる」という確信めいた考えが、胸に残りました。
今回は、その放送で語られていた一部をご紹介しながら、運を引き寄せる脳と心の使い方についてまとめてみます。
運がいい人は「勘」がいい人
運がいい人 を思い浮かべると、「なぜかタイミングを外さない」「ここぞという時にチャンスを掴む」といった特徴がありますよね。
実はその正体は「勘の良さ」なのだそうです。
では、その“勘”とは一体どこから生まれているのでしょうか。
答えは「潜在意識」です。
私たちの脳は、顕在意識(普段の自覚的な思考)よりも、潜在意識のほうがはるかに多くの情報をキャッチアップしています。
顕在意識が氷山の一角だとすれば、潜在意識はその水面下の大部分。数十倍、数百倍の情報を処理している のです。
しかし潜在意識の膨大な情報をそのまま顕在意識に渡してしまうと、脳は疲れてしまいます。
だから 必要な情報だけを取捨選択し、顕在意識に受け渡す仕組み を持っている。
その受け渡しの瞬間の“通り道”が、いわゆる「勘」なのです。(心理学ではこれを「カクテルパーティー効果」と呼びます)
つまり、
運がいい = 勘がいい = 潜在意識からの情報を上手にキャッチできている
ということ。
運は「脳の連携信号」
さらに 運とは、右脳と左脳がやり取りする連携信号 でもあるといいます。
そこに関わるのが 五感と小脳。
これらを活性化させることが、運を良くする秘訣 だとか。
では、どうやって活性化させればいいのか?
答えはシンプルです。「心と体を動かすこと」。
料理をしてもいいし、美味しいものを食べてもいい。ボランティア活動をしてもいいし、散歩だっていい。
要は「体を動かし、心を動かす」行為であれば、なんでも運の回路を開くことにつながります。
さらに意外かもしれませんが、何気ない会話 もまたこの回路を使っています。
相手に合わせたテーマを選び、自分の脳内のイメージを言葉にのせて伝える。
そうやって生まれる人間関係こそが、運を生み出す基盤 になるのです。
ミラーニューロンと「顔」
ここで登場するのが、脳科学でよく知られる「ミラーニューロン」。
人は、目の前の人の表情に自然とつられます。
笑っている人を見ると自分も楽しくなり、険しい顔を見ると気持ちまで重くなる。これは脳が相手を “映し取る”働き を持っているからです。
逆に言えば、面白くない人と一緒にいると勘が鈍ります。
なぜなら脳は電気回路で、出力がないもの――つまり相手からの反応がネガティブだと、その分野に関する“気づき”を止めてしまうのです。
こじらせれば、その相手以外の人とも話せなくなる。
だからこそ、自分自身が「嬉しそうな顔」で生きることが大切です。
ここで注意したいのは「笑顔」ではなく「嬉しそうな顔」だということ。
笑顔は時に自己防衛の仮面になってしまうからです。
むしろ、前向きさやワクワク感、好奇心といった感情をそのまま表情に出すこと。
これが勘を鋭くし、運を呼び込む顔のつくり方なのです。
リーダーの条件は「笑顔を生み出す力」
とても印象的だったのが、アフリカ大陸を撮って回っておられる写真家のエピソードです。
その活動ではたくさんの集落を訪れては、たびたび集落の晩餐会に招かれたそうです。
その方は晩餐会にて、その集落の「長(リーダー)」を100%見極められたといいます。
ある集落では若い方が、ある集落では年長者がリーダーだった。
また別の集落ではラフな服装をしている方がリーダーだったが、ほかの集落では正装をしていた。
そして饒舌な方もいれば、寡黙な方もいた。
つまり 判断基準は、年齢でも服装でも立ち居振る舞いでもない のです。
リーダーの条件。
答えは「周りを笑顔にする力」でした。
その人が場に現れると、自然と周りが笑顔になり、空気が明るくなる。
それがリーダーの共通点だったのです。
これは私たちの日常でも同じです。人間は表情が情動を誘発する存在。
だからこそ、前向きで嬉しそうな顔をしているだけで、周囲の人の脳回路も活性化し、勘が研ぎ澄まされていくのです。
運を決める「場の始まり」
もう一つ大切なのは「タイミング」。
特に 場が始まる瞬間の表情がカギ を握っています。
なぜなら、最初に示された表情が、その場全体の“脳神経信号のモデル” になるから。
たとえば、リーダーが明るく前向きな表情で場に入れば、周囲もそれにつられ前向きになります。逆に暗い顔で入ってくれば、全体がそのトーンに支配される。
だからこそ「場に入る時にどんな顔をしているか」が、運を左右するのです。
ピンチの時こそ「前向きな冗談」を
とはいえ、人生にはピンチもつきものです。
そんな時にこそ意識してほしいのが、前向きな表情 と、たわいもない会話 です。
たとえばあえて冗談を言い合う。
ほんの一言で場の空気は変わり、ミラーニューロンによって全員の気持ちが引き上げられます。すると脳が活性化し、勘が冴え、運も味方をしてくれる。
「運も実力のうち」とは、ただのことわざではなく、脳と心のメカニズムそのもの なのかもしれません。
運は“つくるもの”
今回の放送を聴いて強く感じたのは、運は「外から降ってくるもの」ではなく「自分でつくり出すもの」だということです。
・心と体を動かす
・前向きで嬉しそうな顔をする
・場の始まりを明るくする
・冗談や他愛もない会話を楽しむ
こうした積み重ねが脳を活性化させ、勘を冴え渡らせ、結果として「運がいい」と言われる状態につながるのです。
つまり、運は決して限られた人の専売特許ではありません。誰もが今日から自分の意識と行動で育てられる。
そう思うと、ちょっと前向きな気持ちになれませんか?
「運も実力のうち」。
その実力は、あなたの意識の持ち方ひとつでいくらでも磨いていけるのです。
この放送を聞いて私は、

表情が情動を誘発する。ミラーニューロンを意識して、まずは自分から嬉しい表情で生きていこう!
と思いました。
表情一つで、自分も周囲も前向きにできる。
前向きだからパフォーマンスが上がるし、情報感度も上がる。
結果として成果も良くなり、「運がいい」と思えるようになるのです。
変えたのは表情だけなのに、これだけ多くの箇所に好影響を出せるのはとても凄いことですよね。まさにシンプルイズベスト。
ぜひ、あなたも「前向きな表情」を意識してみてくださいね。