「ふーん」で終わっていた私が、美術館に4時間いた理由|初心者のためのアート9つの型

アートって、よくわからない・・・。
でも知りたい、読み取れるようになりたい!
そんな時にうってつけなのが鈴木博文(美術解説するぞー)さんが書かれた『現代アートがよくわからないので楽しみ方を教えてください』です。
この本は、まさに冒頭のような「アートが分からない」超初心者向けに、9つの型でアートを読み解くヒントをくれます。これがとても分かりやすく、読みやすい。
「どうやってアートを見ればいいのか分からない」という悩みは、この本で解消されます!
私自身、実際にこの型を使ってみるべく、先日美術館へアート鑑賞をしてみました。
すると、
これまでまったく縁がなく、「ふーん」くらいに思っていた美術作品が、途端に面白いものに見えてきたのです。
気づけば4時間以上も滞在していました。
自分の中で、生涯の新たな趣味が見つかった感覚もあり、とても嬉しかったです。

帰りがけには、最も心に刺さった美術品のポストカードをお土産に買うなども満喫しました。
本書を読んだうえで、たくさんの美術品を鑑賞してみた私の感想ですが、
アートとは
「日々の生活へ新たな気づきを与えてくれるキッカケ」
だと感じました。
思考が柔軟になれますので、日常生活において仕事や育児など、人生のあらゆる場面に活かせます。
そのエッセンスとしてアートはとてもよい参考になる。
この記事では、私自身がアート鑑賞を楽しめるようになったキッカケ本
『現代アートがよくわからないので楽しみ方を教えてください』
について、ザっとまとめてみたいと思います。
ただ今回、正直すごく苦労しました。
なぜなら全部いいから。全部読んで、自分の血肉になったからです。
本音を言うと、この記事なんか読まず、真っ先にこの本を読んでみてほしい。
大げさかもですが、これから先の長い人生に革命、自信、安心。
そして、尊い趣味が見つかるかもしれないからです。
本一冊でそれが手に入るなら、コスパ最高。
さて、前置きが長くなりました。
この記事が本書への興味に繋がれば幸いです。
そして、あなたもぜひ、日々の生活へアートが溶け込んでいく人生を楽しんでみてください。
【前提】アートは「新しい世界の提示」
そもそもなぜアートは鑑賞しづらいのかについてです。
結論から言うと、アートは「新しい世界の提示」をしています。
革新的で、最先端の「現代アート」なんかは特にそうですね。
つまり、アーティストは「共感を得よう」とはしていないのです。
だからアートは鑑賞しづらい。
アートの特徴3ポイント
アートの特徴は以下の3つです。
- 当時の様子 を端的に切り取り表したもの
- 当時の社会 にとって新しい考え方や世界観
- 当時の人々 の心を掴んだ表現
アーティストは美術を通して世の中に訴えています。主張しています。
まずは、アートの特徴3ポイントを理解しましょう。
アートの醍醐味は「価値観の変化」
アートの特徴が分かれば、美術鑑賞するときの姿勢が変わってきます。
「読み取ろう」という姿勢は、これまで自分になかった表現・捉え方・視野を得るヒントにもなるでしょう。それが日々の柔軟な思考や行動につながっていくはずです。
アートの醍醐味とは、「自分では気づかなかった世界に、アートを通じて触れることで、価値観が変わること」なのです。
「ゾワる」だけでいい
美術鑑賞していると、何か心に残って離れない作品に触れる機会があります。
この内側からの強い感覚のことを「ゾワる」と、著者の鈴木さんは表現しています。
これを受け私は
「美術鑑賞はもっと身近で、もっとハードルの低いものと捉えていいんだ」
と感じ、アートへのハードルがグッと下がりました。
フラッと美術館に立ち寄り、読書や映画鑑賞するように美術品を眺める。
そうやって、何気なく。でも何かを読み取ろうという姿勢で、ゾワる作品に出会いに行く。
これでいいんです。
美術館の入場料は意外と安いです。
カジュアルに捉えて、アートに触れる機会を増やしてみると、
自分の生活にも何か面白い変化が起きそうですよね。
アート鑑賞の視点3つ
ここまでを踏まえ、3つの視点でアート鑑賞するとよいでしょう。
- 「この人は 何を 表そうとしたのか」
- 「なぜこの 表現 に至ったのか」
- 「なぜこの 材料 や 方法 を選んだのか」
さきほども挙げた通り、アートは「新しい世界の提示」をしています。
なので「自分が見慣れているか、共感できるか」という気持ちはいったん置きましょう。
まっさらな心で、上記の視点3つで眺めてみると面白い発見があるかもしれません。
「型」があるから自由

とはいえ、やっぱり鑑賞するのって難しい・・・。
そんな時に活きてくるのが「型」です。
少し例示をします。
日本の和歌には「5・7・5・7・7」という文字数のリズムや、季語を含めるなどのわかりやすいルールがありますよね。
このおかげで専門家でなくても読み解き、楽しむことができます。
また、ルールがあるからこそ「字余り」や「字足らず」という型破りな表現も生まれるのです。
つまり、
「型」があるからこそ誰でも楽しめるし、幅の広さを味わうことができる。
「型」があるから自由なのです。
逆を言えば、型がない状態は自由とは程遠いのです。言わば「放任」という状態に近いでしょう。
アート鑑賞も同じです。
「自由に、自分の感性で楽しもう」というのは、ただの放任なのです。
本書はアート鑑賞を楽しむための「9つの型」を提案してくれています。
次セクションから、この9つの型について紹介していきます。
【解決法】9つの型
9つの型は以下の通りです。
- 1~3:アートの次元(どこを見ればいいの?)
- 【1の型】作品の中
- 【2の型】作品の表面
- 【3の型】作品の外
- 4~6:アートの目的(何のために作られているの?)※見た目重視から意味重視へ
- 【4の型】ドヤドヤ系
- (1)記録・象徴 … 時代や社会の様子
- (2)発明 … 新しい絵画
- (3)誌・文学 … 物語
- 【5の型】映え映え系
- (1)構成 … なんかいい
- (2)抽象 … 要素抽出
- (3)様式 … 物質感
- 【6の型】なぞなぞ系
- (1)レディメイド … 手仕事の意味(既製品)
- (2)プロセス … 過程の意味(写真、映像、日記)
- (3)イベント … 場や文脈(場所、場面、意外性)
- (4)ワーズ … 文字や言葉(多義性、依存性)
- 【4の型】ドヤドヤ系
- 7~9:アートの材料(何を扱っているの?)※偶然性
- 【7の型】変化
- 【8の型】素材/行為
- (1)素材 … 既存のものに含まれている意味
- (2)行為 … “行為”が持っているイメージ
- 【9の型】関係性
- (1)作品と空間
- (2)作品と人間
- (3)作品と地域
アートは基本的に単一の型ではなく、複数の型の組み合わせで読み取ることができます。
自分なりに「この作品はどの型が当てはまるかな?」とクイズのように考えながら眺めるのもまた面白いですよ。(私は実際そのように鑑賞を楽しんでみました)
アートに正解はない
ここまでキレイに型が整ったところで、あえてもう一転させるようですが、アートに正解はありません。
正しい読み解き方もなければ、間違った見方もないのです。
だからこそ、
「アートは理解できない」なんて思わなくていい。
自分の考えもまた一つの答え。新たな気づきです。
9つの型は、あくまでその気づきをサポートするガイドラインだと捉えるくらいがちょうどいいです。
では次から、それぞれの型についてザーッと概要だけ書いていきます。
繰り返しになりますが、詳細はぜひ本書を手に取って、直接読んでくださいね。
【1の型】作品の中
昔は今とちがってカメラがありません。
なので、人物や風景を形にするためには描くしかない。
近代以前の西洋アートは、写真代わりの「本物の世界の再現」に重要な役割が置かれていました。
1の型は、作品の中。
つまり写真のようなリアルさ、というアートです。
写真以外にも、聖書に書かれている情景を想像して描かれている絵もこの型になります。
作家によって画風も異なるので、その雰囲気のちがいを楽しむのも面白いです。
【2の型】作品の表面
よりリアルに描く絵もいいけど、絵の具という素材そのものもいいよね。という、
【1の型】絵の中のストーリー(リアリズム)ではなく、絵の表面にも魅力があることを示しているのが、2の型です。
この型で描かれた絵は、「何を描くか」ではなく、「どうやって」「何を使って」描くかが重要視されています。
筆ではなくダイナミックに足を使って描くことでしか現れない躍動感を表現する等、「身体性」という言葉もこの型では用いられます。
【3の型】作品の外
あえて「何も加工されていないただの物」が展示されていることがあります。
これは展示物そのものを見て欲しいわけではなく、展示物が置かれている空間に意識を向けさせるように意図されています。
「アート=置かれている作品(物体)」だという思い込みを取り払い、新しい視点を教えてくれるメッセージが込められているんですね。
これが、作品の外を鑑賞する3の型です。
実は日本人はこの3の型が得意な人種でもあります。
枯山水という、ただの石から水や自然を感じ取る日本の文化がまさにこの3の型である、空間を感じ取る力に近いのです。
ちなみに現代の美術館が昔に比べて大きい理由もこの3の型の台頭が影響しています。
1,2の型のような1枚の絵画ではなく、空間そのものが作品になるので、必然的に展示スペースがどんどん大きくなっていくからです。
なので、現代の美術館は比較的大きいのですね。
【4の型】ドヤドヤ系
4の型は名前の通り「どや!」というかのごとく、インパクトを与えようとしてくれているのが特徴です。
ドヤドヤ系にはさらに3つの分類があります。
- (1)記録・象徴 …時代や社会の様子
- (2)発明 …新しい絵画
- (3)誌・文学 …物語
(1)記録・象徴
いつの時代も大衆の認知度と、それに対して流行る美術品というのは密接な関係があります。
西洋でいうと、
- 教会や宗教による支配の時代では、宗教画。
- 庶民が台頭し、手紙が流行してくると、庶民の生活画。
- チューブ絵の具開発により外で描き始めるようになれば、風景画。
- そして現代では大量生産品やコミックエンタメがあり、アートと漫画の世界が融合された絵画などが誕生。
このようにその時代や社会の象徴といわれるようなものを「記録」という意図を含んでアートにしているのです。
ちなみに日本の「浮世絵」も同様です。
旅行、花魁、役者に会いたいけど会えない人のために作られたのが浮世絵なのです。
(2)発明
新しい絵画を示しているのも、この4の型ドヤドヤ系です。
たとえば、「絵画は1層で考えなくてもいいのでは?」という発想で描かれたアートがあります。
アニメやコミック感、文字、リアル描写、絵の具感。これらさまざまな世界観を1つの画面の中に同居させる「アートの多層化」という考え方です。
この考え方そのものの“発明”を作品にしたためているのです。
(3)誌・文学
女性や黒人、LGBT、少数民族や、植民地支配など、ナラティブ(私的な物語)をテーマにする場合、
もしも文章にして抗議すると、ストレートすぎて角が立ってしまいます。
そこで造形を使った物語で示すことが盛んに登場してきました。
「ナラティブ」をテーマにしたアート作品は、様々な解釈を促すことができるのです。
【5の型】映え映え系
映え映え系はさきほどのドヤドヤ系とちがって、具体的なことは描かれていません。
大きく3つの特徴があります。
- (1)構成 … なんかいい
- (2)抽象 … 要素抽出
- (3)様式 … 物質感
(1)構成
「なんかいいな」というように表面的に楽しむアートです。
つまり「特に意味はない」。
「色彩の配置や並びの美しさ」「なんとなくいい構成」だけを追求することもまた絵画であるという考え方です。
(2)抽象
アートにおける抽象とは、あいまいという意味ではなく、「要素抽出」です。
- 木の幹がゴツゴツしている
- 葉がトゲトゲしている
- 青臭そうな感じがする
- 先のほうは枝分かれしている
これらの特徴を抜き出し、単純化し、強調するのがこのタイプのアートです。
ちなみに男女のトイレマークも、立派なアートなんです。
「男性は肩幅が広く逆三角形である」
「女性は腰まわりが膨らみ三角形である」
この要素を抽出した結果、丸と三角だけであらわされたトイレマークが生まれたのです。
(3)様式
実はこれは「【2の型】作品の外」と同じです。
画材そのものの良さを楽しむアートですね。
絵の具のネットリ感や、石のゴツゴツ感など、何の<モノのカタチ>か分からないけど、なんか質感がいいなと感じるアート。
これをアートの業界では「形式主義(フォーマリズム)」と呼ばれています。
【6の型】なぞなぞ系
6の型なぞなぞ系は、脳活アートです。
人間は物体そのものではなく、付与された意味や情報、概念に価値意識を感じる。
そんな社会実態を、皮肉を込めて証明するために、作品の見た目よりも意味を考えさせるアートが次々と生まれたのです。
このなぞなぞ系のアートのは、コンセプチュアル・アート(概念芸術)と呼ばれています。
これまでの芸術のような唯一性や手仕事技術などの特徴とは違い、「生まれる意味」を作品としています。
特徴は以下の4つです。
- (1)レディメイド … 手仕事の意味を問う(既製品)
- (2)プロセス … 過程の意味を問う(写真、映像、日記)
- (3)イベント … 場や文脈(場所、場面、意外性)
- (4)ワーズ … 文字や言葉(多義性、依存性)
たとえば、
「壁にテープで貼り付けられた1本のバナナ」の作品をご存じでしょうか?
テープもバナナも、どこにでもある市販のもので、これそのものが作品とされていません。
つまり、意味を扱っているのです。
バナナを見た時の
- 安価で甘く、すぐ腐る
- 様々なアーティストが取り扱ってきた果物
- バナナ生産における低賃金問題
というイメージを想像させます。
また、テープで貼り付ける行為によって、
- 誰かが意図して行ったこと
- 力で無理に拘束していること
- 制約された自由や抑圧
なども頭をよぎるでしょう。
これが6の型なぞなぞ系です。
コンセプチュアル・アートにより、
これまでの「モノづくり=アート」という常識が壊され、「意味をつくり問う=アート」という新しい概念芸術という世界が広がりました。
ほかにも、
- ただの絵画ではなく、閉じ込められた時間を感じ取る作品
- 完成品よりも、パフォーマンス性に感動させられる作品
- 製品よりも、ストーリーに注目してもらう作品
- 言葉、情報、概念の重要性を問う作品
など、ただ鑑賞するだけでなく、なぞなぞのように考え、日々を改めることができるアートがたくさんあるのです。
【7の型】変化
7の型では、「アートは動かないもの」という固定観念を壊していきます。
つまり、「完成したあとも変化し続ける作品」ということです。
風を受けて一部が動くものや、タイムラプスで製作過程やプロセスを表現するものなどが例に挙げられます。
また、「時間」の存在を表す作品は、21世紀の現代アートの特徴のようですが、実はこの「時間アート」は私たち日本人には馴染みのある概念なのです。
「侘び寂び(わびさび)」という日本古来の感覚。
これは「老いること」や「朽ちて欠損していく過程」に美しさを感じる、時間そのものに想いを馳せる美的感覚のことを指します。
この感性がまさに「時間アート」を楽しむヒントになるのです。
【8の型】素材/行為
使われている素材、作品をつくる際の行為に意味がある という鑑賞ポイントがこの8の型です。
「どんな素材/行為で作られているのか」に注目するとよいでしょう。
(1)素材
「No Man’s Land」という作品は、地面いっぱいに古着が広がっています。
この古着という素材はそもそもどのような意味があるのか。
- 元々人が実際に着ていたものだよな
- においや気配でなんとなく人がそこにいるような感じがするな
このように想いを馳せると、作品への見方や考え方も少し新鮮にとらえられます。
既にあるものを有り合わせのように組み合わせて作品をつくる方法を「レディメイド」や「アッサンブラージュ(寄せ集め)」と呼びます。
もちろんそこには「意味」もセットで内包されているのです。
(2)行為
さきほどの「No Man’s Land」という作品は、中央に古着の山ができており、そこを中心に地面いっぱいに古着が広がっています。
クレーンで古着をつかんで落とす、を繰り返したような様です。
- たくさんの古着を「並べる」意味とは?
- たくさんの古着を「積み重ねる」意味とは?
- たくさんの古着を「つかみ、持ち上げ、落とす」意味とは?
このように「“行為”が持っているイメージ」を考えてみると、
- 「人間が集まり、上を目指して競い、転落していく様」
- 「人間社会のヒエラルキーの無情さ」
- 「人の積み重なりが歴史を作っている」
など、作品のメッセージを想像することができますよね。
作品を構成する素材や製作工程の行為に対して想いを馳せ、「意味」を考えるのがこの8の型の醍醐味です。
【9の型】関係性
さいご9の型には3種類の特徴があります。
- (1)作品と空間 の関係性
- (2)作品と人間 の関係性
- (3)作品と地域 の関係性
「関係性」というのがキーワードになります。
頭で考えた関係性という「絵空事」を現実にアウトプットするのがこのアートの肝と言っていいでしょう。
(1)作品と空間
まずは作品と空間の関係性を表した作品ですが、これは【3の型】作品の外と同じです。
ただの石でも、美術館という特別な空間で展示されていると感じ方、見え方が変わってくるというものでしたね。
「いま、ここ」「その場所でしか感じられない特別な雰囲気」の芸術的魅力をアウラといいます。
人は芸術鑑賞をする際、作品を単体で眺めているのではなく、その空間の立派な雰囲気や、周辺環境、背後のストーリーを含めて、「礼拝的価値」や「展示的価値」を持って鑑賞に挑んでいるといえるのです。
昨今は複製技術の発達により、わざわざ礼拝堂や美術館に足を運ばなくても、スマホで眺めることが出来るようにもなりました。
皮肉にもこれが鑑賞の姿勢に影響し、礼拝的だったり展示的だったものから次第に散漫的な味方へ変わってしまう。
これをアウラの凋落と呼びます。
空間が作品と密接に関わりがあるということを表すキーワードですね。
(2)作品と人間
79.4kgのキャンディの山が積まれた作品があります。
作品でありながら、このキャンディは訪れた人々が自由に食べていいのです。
これは「恋人が徐々に痩せていく様子」を表しています。
このように「鑑賞者が参加する」「鑑賞者が作品の一部になる」特徴を持つアートを「リレーショナルアート」と呼びます。
まさに、作品と人間の関係性を表しているのです。
「無意識に形成された特定の共同体」を、アーティストが意図的に生み出し、それを作品とする。
きっかけこそアーティストがつくりますが、それはコントロールを離れ、偶然性が生み出す再現不可能な新しい表現となります。
つまり「人間関係」という「再現不可能な唯一性」をアート作品にするという斬新な考え方です。
(3)作品と地域
イギリス生まれナイジェリア系アーティストのクリス・オフィリは、象の糞で描かれた「聖母マリア」の作品を作りました。
一般的には「汚い」とされる象の糞も、実はアフリカの一部の文化では、象は神聖な動物とされ、その糞さえも特別な意味を持ちます。
同じものでも地域や文化によって違う意味を持つことを作品で示してくれているのですね。
この糞は特殊加工されており、キラキラとした光沢を出しています。
アフリカの資源が西洋に運ばれて「美しいもの」に加工されていく過程も象徴しているように見えてきます。
西洋の宗教的イメージと、アフリカを連想させる素材を融合させることで、両地域の歴史や文脈を横断しているのです。
まさに作品と地域が関係性を持っている状態ですね。
素材に注目するアートの場合は、「どこの材料なのか?「どの地域を表しているか?」というように、野菜の原産地を想像するような視点で観ると面白いです。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
アート鑑賞は自由とは言え、いきなりフリースタイルで観てもいまいちピンとこず、どう見ていいか分からない。
でもこの9つの型を使えば、アートの見方が分かり、いままでよりも深く作品に入り込んで楽しむことができます。
その先にきっと、あなたの価値観を塗り替えてくれるような体験 があるかもしれません。
それこそが アートの醍醐味 です。
アートは世界中にたくさん存在します。
美術館は日本だけでも300〜450施設あるそうです。
アートを身近なものとして捉え、フラッと美術館に立ち寄り鑑賞する。
そのようにして、生涯の趣味を手に入れるのも悪くないですよね。

9つの型を改めて示します。
ぜひアート鑑賞に活用してみてください。
- 1~3:アートの次元(どこを見ればいいの?)
- 【1の型】作品の中
- 【2の型】作品の表面
- 【3の型】作品の外
- 4~6:アートの目的(何のために作られているの?)※見た目重視から意味重視へ
- 【4の型】ドヤドヤ系
- (1)記録・象徴 … 時代や社会の様子
- (2)発明 … 新しい絵画
- (3)誌・文学 … 物語
- 【5の型】映え映え系
- (1)構成 … なんかいい
- (2)抽象 … 要素抽出
- (3)様式 … 物質感
- 【6の型】なぞなぞ系
- (1)レディメイド … 手仕事の意味(既製品)
- (2)プロセス … 過程の意味(写真、映像、日記)
- (3)イベント … 場や文脈(場所、場面、意外性)
- (4)ワーズ … 文字や言葉(多義性、依存性)
- 【4の型】ドヤドヤ系
- 7~9:アートの材料(何を扱っているの?)※偶然性
- 【7の型】変化
- 【8の型】素材/行為
- (1)素材 … 既存のものに含まれている意味
- (2)行為 … “行為”が持っているイメージ
- 【9の型】関係性
- (1)作品と空間
- (2)作品と人間
- (3)作品と地域
自分でタイトルをつけてみる
9つの型を使い、フラッとアートを楽しむ。
その作品を鑑賞した後のゴールとして「自分でタイトルをつけてみる」というのがオススメです。

「私だったら、○○というタイトルにするかな。理由は、、、」
これをやると、言語化するために作品を「よく見る」につながります。
それがアートを楽しむための姿勢です。
まずは、「自分でタイトルをつけてみる」から気軽にアート鑑賞を始めてみてはいかがでしょうか?
以上です。
ここまで読んでくださりありがとうございました。

アート鑑賞、楽しんでみてくださいね~
この記事の参考文献:
『現代アートがよくわからないので楽しみ方を教えてください』
鈴木 博文(美術解説するぞー)(日本実業出版社)
