10年後のために「種まき」をしておく話

子育ての日々、その先にあるもの
あなたは、子育てを楽しめていますか?
我が家には3人の子どもがいます。
毎日が慌ただしく、笑ったり怒ったり、振り返ればあっという間に時間が過ぎていきます。
正直にいえば、楽しいことばかりではありません。夜泣きに悩んだ時期もあれば、行動させるのに苦労する日もあります。ですが、全体的に見れば、わりと順風満帆にここまでやってこられていると感じます。
子どもたちは少しずつ成長し、やがて自分の人生を歩んでいくでしょう。それは親としてとても嬉しいことです。しかし同時に、「充実した子育て生活からの卒業」という節目が必ず訪れる。そう考えると、ほんの少しの寂しさを覚えるのです。
そんなある時、妻がふと口にした言葉に、私はハッとしました。
「子育てが終わったあと、その隙間を埋める“何か”があるといいよね」
この一言は、私にとって大きな気づきでした。子育ての卒業を前にしても、人生を豊かに楽しみ続けるためには、今から準備しておくことが必要なのだと。
そこで私は、「じゃあその隙間を埋めるものを探してみよう」と思い立ちました。

そして行動に移したのが、このブログ運営なのです。
やりたいことを「棚卸し」する
最初にやったことは、とてもシンプルです。
ノートを開き、自分が「やりたいこと」「好きなこと」を片っ端から書き出してみました。
大きな夢のようなものから、日常のちょっとしたことまで、とにかく思いついたものを全部。すると、最終的におよそ50個のリストができあがりました。
そしてそのリストを眺めながら、次の問いを投げかけてみました。
「この中で、今すぐできるものはどれだろう?」
すると驚いたことに、ほとんどのことが“今すぐできる”ことばかりだったのです。
「子どもが小さいから、今はできない」
「時間がないから、落ち着いてから」
そんな言い訳を自分にしてきただけで、実際は行動さえ起こせば今日からでもできることがたくさんある。それに気づいた瞬間、視界がぱっと開けたような感覚がありました。

いますぐやってもいいし、子育てが終わってからやってもいい、という選択肢に気づけました。
10年後でもできる? できない?
次に取り組んだのは、
「10年後でも同じようにできるのか?」
という問いかけです。
たとえば、体を動かす趣味。今なら気軽に走ったりスポーツを楽しんだりできますが、10年後には体力が落ちているかもしれません。そう考えると、「体力を必要とすること」は“今のうちにやるべきこと”に分類されます。
一方で、読書や文章を書くといった知的な活動は、10年後でも十分に楽しめます。むしろ経験を重ねた分、より深みが出るかもしれません。
こうやって整理してみると、「今すぐやるべきこと」と「後でもできること」に自然と分かれてきました。

10年後と言わず、生涯を通してできることにも気づけたのは嬉しかったです。
「時間がかかるもの」は先に始める価値がある
さらに視点を変えて、
「成果が出るまで時間がかかるものは何か?」
を考えてみました。
ここで大きく分かれたのが、自分の中だけで完結することと、他者が関わることです。
- 自分の中だけで完結するもの
→ 読書、筋トレ、資格の勉強など。始めればすぐに効果や充実感を得られる。 - 他者が関わるもの
→ 発信活動、人脈づくり、ビジネスなど。成果が出るまでに時間がかかり、評価も他人次第。
たとえばブログやSNSでの発信活動は、始めたからといってすぐに成果が出るわけではありません。人に読まれるようになるには数年単位の積み重ねが必要です。
ということは――もし10年後に子育てが終わってから始めた場合、そこからさらに5年、10年とかかる可能性が高い。そうなると、充実感を得られるまでにかなりの時間が必要になります。
ならば今から“10年”という時間をかけて少しずつ育てていけば、子育てが終わる頃にはちょうど実を結んでいるかもしれない。そう思うと、今この瞬間から取り組む価値があるのではないかと気づいたのです。
未来の「楽しみ」を育てるという考え方
こうした考察の延長線上に、このブログの開設があります。
「子育てが終わったあと、急に手持ち無沙汰になってしまう」のではなく、
「その頃にはすでに、自分の楽しみが育っている」状態をつくっておきたい。
それは、子育ての先に待つ人生を豊かにするための“種まき”だと感じています。
子育てに追われる今だからこそ
子育て中は、どうしても目の前のことで手一杯になります。
送り迎え、習い事、行事、宿題、病院…。気づけば一日が終わり、気づけば一年が過ぎている。
そんな日々の中では、先のことをじっくり考える余裕はほとんどありません。ですが、ほんの少し立ち止まって「10年後、自分は何をしていたいか?」と考えるだけで、未来の見え方が変わってきます。
未来の楽しみを“先取り”して準備しておけば、子育てが終わった時にぽっかり空いた心の隙間をやさしく埋めてくれるはずです。
まとめ:10年後の自分にプレゼントする種まき
振り返ると、妻の「子育ての隙間を埋める何かがあればいいよね」という言葉が、私のこれからの人生の方向性を変えてくれました。
- やりたいことを棚卸ししてみる
- 今すぐできることと後でもできることを分ける
- 成果に時間がかかるものは、早めに始める
この3つを意識するだけで、「未来の自分に渡すプレゼント」のような活動が見つかります。
私の場合、それがブログでした。あなたの場合は、もしかしたら音楽かもしれませんし、地域活動かもしれません。形は人それぞれですが、「10年後に笑顔で楽しめるもの」を今から少しずつ育てていくことが、人生を長く豊かにする秘訣だと思います。
最後に、問いかけです。
あなたは10年後、どんな楽しみを手にしていたいですか?
そして、その種を、今日からまいてみませんか?