「何を話すか」を考えるのをやめたら、会話が楽になった話──『超一流の会話力』を読んで

「何か会話が詰まらないようにしなきゃ」
「せっかく時間を取ってもらうんだから、話題を用意しないと」
こんなふうに、会話にプレッシャーを感じてしまうことはありませんか?
実はこれ、まさに私自身のことです。
そんな私のモヤモヤをスッと軽くしてくれた本がありました。
それが今回ご紹介する
アンジャッシュ渡部健さんの『超一流の会話力』です。
きっかけはYouTube「新R25チャンネル」
この本を知ったきっかけは、YouTubeの「新R25チャンネル」というコンテンツでした。
「話し方や聞き方って、何かコツがあるのかな?」
そんな思いで動画を漁っているうちに、新R25にたどり着き、
サムネイルで見覚えのある方を見つけました。
それが、アンジャッシュの渡部健さんです。
「ビジネス系の動画になぜ渡部さんが?」
最初は正直、そう思いました。
ですが、数年前から“コミュニケーション”の分野で、
ビジネスシーンでも活躍されていると知り、動画を視聴。
結果、
なぜゲストに渡部さんが招かれたのか、すぐに納得しました。
会話力についての解説がとても腑に落ちますし、
なにより「要点を絞って伝える力」が圧倒的です。
ユーモラスな話し方、
要点を絞ったり膨らませたりする力、
抑揚の付け方や、場に合わせる調整力。
私は以前から、お笑い芸人さんのコミュニケーション力を強くリスペクトしているので、
その切り口で活躍されていることにも、非常に納得感がありました。
そんな流れで本書『超一流の会話力』に興味を持ち、実際に手に取って読むことにしました。
シンプルで、すぐ試したくなる一冊
本書『超一流の会話力』には、
新R25の動画内では語られていなかった内容も、しっかり書かれています。
そして今、私はここに書かれている内容を絶賛実践中です。
それくらい、
シンプルでわかりやすく、
読みやすく、
「今すぐ試したくなる」指南書でした。
- 「コミュニケーション」
- 「会話」
- 「人間関係」
こういったテーマで悩んでいる方には、
ぜひ一度、手に取って読んでみてほしい一冊です。
それではここから、本書で特に刺さったポイントを、
私なりに整理してまとめていきます。
【結論:会話は「話す力」ではなかった】
ゲラになり、心理的安全性を高めること。
そして、「褒め+質問」でアドバイス・シーキングと一貫性の原理を発動させること。
自分の話をするのではなく、相手の話を聞くこと。
つまり、
「いかに相手に気持ちよくしゃべってもらえるか」
そのための「空気」と「質問」が何より大事、ということです。
(注釈)
- ゲラ:よく笑う人
- 心理的安全性:安心できる状態・雰囲気
- アドバイス・シーキング:相手に助言を求めること
- 一貫性の原理:自分の言動に一貫性を持たせようとする脳のメカニズム
【マインド①:相手にたくさん話してもらう】
“会話で目指すべき理想形が
(39ページ)
「自分はできるだけ話さない」
「相手にたくさん話してもらう」
になれば、自分が積極的に話す必要はなくなります。”
まず前提として、
自分は話さなくていいのです。
「……どういうこと?」
と思いますよね。
でもよく考えてみると、多くの人は
「自分のことを話すのが好き」だと思います。
そして、たくさん話せたとき、
「この人と会えてよかったな」
「話せてよかったな」
と感じるものです。
会話が苦手な人ほど「自分」に意識が向いている
私を含め、コミュニケーションが苦手な人ほど、
- 何か話題を用意しないと
- 間が空かないようにしなきゃ
と考えがちです。
それがうまくいけばいいですが、
うまくいかなかったとき、必要以上に落ち込んでしまう。
でもそれって、
目線が自分に向いていて、相手を見ていない状態とも言えるのではないか。
そう感じたのです。
自分が何を話すか、自分がどう見られるかではなく、
目の前の相手が
「何を話したいのか」
「どんな感情でいるのか」
に目を向ける。
すると、
「今までの悩みって、意外と不毛だったかも」
と感じ、気持ちがスーッと楽になります。
そう。
自分は話さなくていい。
ネタ提供を必死に考えなくてもいい。
相手に気持ちよく話してもらえるように、
場の空気を整え、
そっと聞くだけでいい。
すごくシンプルで、
誰でも実践できそうだと思いませんか?
「相手そのもの」に興味を持つ
「自分は話さなくてよくて、相手に話してもらえばいい」
ここまではわかった。
でも次に出てくるのが、
「じゃあ、どうやって話してもらうの?」
という疑問です。
私自身も、ここで立ち止まりました。
質問の具体的な方法は後半で触れるとして、
ここではマインドセットの話をします。
結論から言うと、
相手への興味がなければ、質問は生まれません。
たとえば、
自分がまったく興味のないゴルフの話を、
どう聞けばいいのか。
ここで突破口になる考え方が、
テレビ番組「マツコの知らない世界」における
マツコ・デラックスさんのスタンスです。
“マツコさんは、
(59ページ)
「その世界には特に興味がないけれど、あなたという人間には興味がある」
というスタンスで話を聞いていきます。”
これですよね。
ニッチな趣味やディープな仕事。
たとえ自分が興味を持てない分野でも、
「そこに没頭している“この人”は、どんな人なんだろう?」
と考えてみる。
事柄ではなく、
人そのものに興味を向ける。
同じ人間なのに、
なぜこんなにも違うのか。
どんな人生を歩み、今のこの人が形づくられたのか。
そうやって視点を切り替えると、
不思議と興味が湧いてくるものです。
【マインド②:コミュニケーションは読書と同じ】
- 「相手にたくさん話してもらう」
- 「相手そのものに興味を持つ」
これだけでも十分ですが、
もう一段階、気持ちが楽になる考え方があります。
それが、
「コミュニケーションは読書と同じ」という捉え方です。
“自分が今まで知らなかった世界、知らなかった知識、知らなかった感情を教えてくれるのが読書でしょう。”
(71ページ)
“「この本から何かを学び取ろう」と考え、しっかり文章を読み込めば、どんな本からでも新しい学びがあるはずです。
コミュニケーションも同じです。”
(72ページ)
この一節を読んだとき、
私は強く頷いていました。
知らない世界に触れる。
知らない価値観を知る。
知らない感情に出会う。
それは読書も、コミュニケーションも同じ。
そう思えた瞬間、
「人と話すのって、実は楽しい学びの場なのかもしれない」
と感じるようになりました。

ネガティブをポジティブで表現する
とはいえ、人間です。
会話の中で、ついネガティブな面に目が向くこともあります。
そんなとき、どうすればいいのか。
“だったら、そのネガティブな面をポジティブな言葉で表現できればいい。
(90ページ)
そのための「ポジティブな語彙力」を身につければいいのです。”
これは以前の記事で紹介した、
オリラジ中田敦彦さん『天才の証明』の
「欠点も裏返せば才能」という話とも通じます。

たとえば、
- 頑固 → 意志が強い
- 優柔不断 → 慎重・注意深い
- わがまま → 自分の考えを大切にしている
見方を変えるだけで、
印象や受け取り方は180°変わる。
これは人にも本にも言えること。
ポジティブ変換できれば、読書の学びも、会話の空気も大きく変わります。
相手にも、自分にも、
余計なヘイトを溜めない。
この姿勢は、
コミュニケーションの場でも非常に有効だと感じました。
【マインド③:知らない話題はビッグチャンス】

「知らない話題が来たら、どうすればいいの?」
これもよくある悩みですが、
答えはシンプルです。
“いくらでも質問が出てきます。
(135ページ)
自分の知らない話題とは、つまりいろいろ質問できる話題だから、それだけチャンスなわけですね。”
知らない話題=
相手に話してもらえるチャンス。
そして、
自分が知らない世界・価値観を学べるチャンス。
そう捉えるだけで、
会話は一気に前向きで明るいものになります。
先生と生徒になる|アドバイス・シーキングの効果
人が他者とのコミュニケーションで快感を得るのは、
自分の言葉で「相手の価値観や行動」を変えることができたときだそうです。
その前段階として、相手に対して助言を求める
「アドバイス・シーキング」というコミュニケーションテクニックが有効です。
つまり、イメージとしては
「先生と生徒」の関係性を会話の中に持ち込むとよい、ということです。
“基本的に、会話で「教える人間」と「教わる人間」に分かれると、「教える人間」のほうが立場が上になります。先生と生徒になるからです。
(140ページ)
相手にアドバイスを求められて、それに答えれば、当然、話しているほうは気持ちよくなります。”
相手にアドバイスを求める。
それに対して相手が答える。
この時点で、相手はもう気持ちよくなっています。
人は「教えた相手」を好きになる|一貫性の原理
さらに、人間には
「アドバイスを与えた相手を好きになる」という性質があるそうです。
これを「一貫性の原理」といいます。
人は、自分の言動にできるだけ一貫性を持たせようとする生き物です。
冷静に考えてみると、
嫌いな人に対して、わざわざ親切で有益なアドバイスをすることはあまりありませんよね。
アドバイスをするということは、
少なからずその相手に対して
「役に立ってあげたい」「助けたい」
という好意が向いている状態です。
その好意に対して、
- 素直に受け止める
- 興味を示す
- さらに深掘りする質問をする
これをやられたらどうでしょう。
まるで先生が
「なんて熱心で、可愛げのある生徒なんだろう」
と感じるように、好意が強まっていく気がしませんか。
知らない話題についても、新たな価値観を学ぶ姿勢で臨めば、相手にも好かれるのです。
【技術①:ノンバーバル(非言語)が空気をつくる】
ここまで紹介してきた3つのマインドセット、
- マインド①:相手にたくさん話してもらう
- マインド②:コミュニケーションは読書と同じ
- マインド③:知らない話題はビッグチャンス
これだけでも、会話力の土台はかなり整っているように感じます。
ただし、
それを現場で活かせなければ意味がありません。
ここからは、これらのマインドを実際の会話で機能させるための
具体的なテクニックを紹介していきます。
まず1つ目が、
「ノンバーバル(非言語)要素」です。
“たとえば、少女マンガで女の子が「大っきらい!」と笑顔で男の子に言っていたら、どう感じるでしょうか。
(143ページ)
ほとんどの人は、「この女の子は、男の子のことが好きなんだな」と受けとめるはずです。”
ノンバーバル(非言語)要素とは、
表情、姿勢、雰囲気、空気感といったものです。
会話力は、言葉だけで成り立っているわけではありません。
むしろ、こうした非言語の要素が、
「相手にたくさん話してもらうための空間づくり」には欠かせません。
「笑う」がもっとも効果的|メラビアンの法則
ちなみに人間は、
- 視覚情報
- 聴覚情報
- 言語情報
この3つの情報に矛盾が生じた場合、
もっとも「視覚情報」を重視するそうです。
これを「メラビアンの法則」といいます。
だからこそ、
- 笑顔で
- 前のめりで
- その場を楽しむ
これだけでも、相手は格段に話しやすくなります。
【技術②:質問の型「縦・前・後・横」】
ココは私自身、
「これ、めちゃくちゃ使える…ッ!」
と強く感じたパートです。
相手に興味を持つことが前提とはいえ、
会話力を鍛えている途中の段階では、
質問の“型”があると本当に助かります。
本書の後半で紹介されるのが、
この質問の型「縦・前・後・横」です。
■ 縦の質問
“これは要するに、相手の話題を深堀する(縦に掘る)というものです。”
(154ページ)
相手が「釣りをしている」と言ったら、
- どんな場所に行くの?
- どれくらいの頻度で行くの?
- どんな魚が釣れるの?
といったように、
より具体的に、より詳しく聞いていくイメージです。
私はこれを、
4W1H(What・When・Who・Where・How)で聞いていくと
やりやすいと感じました。
■ 前の質問
“「前」というのは、「過去」という意味です。”
(158ページ)
同じく「釣り」の話題であれば、
- 何がきっかけで釣りを始めたの?
- 今までで一番の大物は?
など。
過去を思い出しながら話すことで、
当時の楽しかった感情やポジティブな記憶が呼び起こされ、
相手は気持ちよく話してくれます。
私はここで、
Why(なぜ?)と、
過去版 縦の質問(4W1H)
を意識するとよさそうだと感じました。
■ 後の質問
“これは「未来に関する質問」を指します。”
(159ページ)
- 次はいつ行く予定なの?
- 行ってみたい場所はある?
- いつか釣ってみたい魚は?
未来の話は、
自然とワクワクした想像を引き出します。
未来版 縦の質問(4W1H) × 前の質問(Why)
の組み合わせで、
会話はかなり自然に広がっていきます。
■ 横の質問
“これは話題の軸をずらすことで広げるときに使う質問です。”
(156ページ)
- 休みの日で、釣りをしない日は何してるの?
(「休みの日」を残して軸ずらし) - 釣り以外にも趣味はある?
(「趣味」を残して軸ずらし)
ベースは残しつつ、
片足だけ別の方向にずらすイメージです。
この「横の質問」は、
テーマを切り替える合図として非常に使いやすいと感じました。
この「縦・前・後・横」は、
この順番で使うのがポイントです。
深掘りして、
過去を聞いて、
未来を聞いたら、
そろそろ次の話題へ。
次のテーマでも、また同じ流れを繰り返す。
それだけで、会話は驚くほどスムーズになります。
【技術③:「ホメ+質問」が最強】
“ただホメるだけだと、相手の返事は「肯定/否定」の二択になってしまいます。
(163ページ)
でも、質問を組み合わせることで「質問へ回答する」という第三の選択肢が生まれるのです。”
たとえば、
「すごく体が引き締まっていますよね。
何かトレーニングされているんですか?」
ホメるだけで終わらせず、
必ず質問とセットにする。
謙虚な日本人だからこそ効く
多くの日本人は謙虚なので、
「自分の話なんて、大したことない」
と無意識にブレーキをかけがちです。
だからこそ、
ホメ+質問でアイドリングをかけてあげる。
それだけで、
相手は安心して話し始めてくれます。
【技術④:「相手からの質問」はそのまま返す】
“じつは、相手からの質問には「相手の話したいこと」がその裏側に隠れていることがよくあります。”
(168ページ)
“自分の話は早々に切り上げて、同じ質問を相手に返してあげると、相手が話をし始めてくれることがよくあります。”
(169ページ)
「最近、どこか旅行行った?」
と聞かれたら、
自分の話は軽く済ませて、
同じ質問を返してみる。
すると、
「実は先週、ハワイに行ってきてさ…」
と、相手が話し始めることがよくあります。
ここからはもう、
これまで紹介してきたマインドと技術を使うだけ。
ぜひ、会話を楽しんでください。
【技術⑤:「共感」と「同感」を切り分ける】
ここまで読んで、

「でも、ネガティブな話題や極端な意見が出たらどうするの?」
と思った方もいるかもしれません。
そんなときに使えるのが、
「共感」と「同感」を切り分ける考え方です。
- 共感:受け止める
- 同感:受け入れる
“ここで覚えておいてほしいのが、
(180ページ)
「相手の話に『共感』はするけれど、『同感』はしなくていい」
ということです。”
相手が
「Bさんって、何考えてるかわからないよね」
と言ったとしても、
「そうだよね」と同感する必要はありません。
かといって、否定する必要もない。
「そう感じているんですね」
と、事実として受け止めればいい。
あとは、質問を続ければOKです。
(質問のコツは…、もうわかりますね?)
【まとめ:会話は「楽しい学び」】
会話力(コミュニケーション力)とは、
いかに相手に気持ちよく話してもらえるかの力。
自分が頑張って話す必要はありません。
相手そのものに興味を持ち、
安心できる空気をつくり、
質問をする。
会話は読書と同じ、学びの場です。
自分の知らない世界、価値観、思考に触れられる
最高のチャンスでもあります。
自分は生徒。
相手は先生。
質問の型を使い、
この姿勢で臨めば、
コミュニケーションはもっと楽で、優しいものになるはずです。
以上です。
ここまで読んでくださり、ありがとうございました。

コミュニケーション、話し方、聞き方、質問の方法について悩んでいる方は、この本がきっと救いになるはずです。
是非一度手に取って読んでみてくださいね。
【おまけ:妻の金言「話したいことは特にないけど、ただ会いたかった」】
これは本書には書かれていない、私の妻の話です。
誰かと会う前、私はいつも、
- 話すことがないと会ってはいけない気がする
- せっかく時間を取ってもらうのだから、何か価値を出さなければ
- そのためには話題を用意しないと
と考えていました。
それを妻に話したとき、
返ってきたのが、この一言です。
「『話したいことは特にないけど、ただ会いたかった』じゃダメなの?」
この言葉は、私にとって衝撃でした。
この一言に詰まっていたコミュニケーションの本質
「話したいことはないけど、ただ会いたかった」
言われた側としても、嫌な感じはしません。
むしろ、どこかロマンチックで、嬉しい気持ちになります。
本書『超一流の会話力』で語られているマインドやメソッド。
そのすべての源泉が、
この一言に詰まっているように感じました。
相手へのリスペクト。
興味。
そして、愛。
まずは
「話したいことはないけど、ただ会いたかった」
から始めるのも、悪くない。
そう思い、ここで紹介させていただきました。
以上、コレでホントに終わりです。
最後まで読んでくださり、本当にありがとうございました。

私にとって斬新な妻のアイデアは、以下の記事でも紹介してますので、よかったら見てみてください。


この記事の参考文献:
『超一流の会話力』
渡部建(きずな出版)
